獣医神経病学会に参加してきました。

7月8〜9日に東京で開催された獣医神経病学会2017に参加してきました。

今回の主要なテーマはMRI検査や放射線治療についてでした。MRIは主にCTでは実施できない脳や脊髄の画像検査に対して用いられます。

昔に比べて機器の性能も上がり、技術も向上しているため画像から様々な情報を得ることができるようになっています。

これにより脳や脊髄についてさらに詳しく診断できるようになっています。また腫瘍に対して行う放射線治療も日々進歩しており、副作用をできる限り少なく、そしてより効果的な治療ができるように研究がなされていました。

直接当院で実践できる内容ではありませんが、ペットの高齢化により神経の腫瘍に遭遇する機会も増えているため、現在行える最新の検査・治療について学ぶ良い機会になりました。

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淺田慎也

第17回日本獣医がん学会に出席しました。

 今回のメインテーマは消化器型リンパ腫です。

 猫では悪性腫瘍(がん)の約30%は造血器系(血液関係)腫瘍であり、その50~90%がリンパ腫です。以前は若い猫で胸に水が貯まるタイプが多かったのですが、最近は10歳以で腸に腫瘍ができるタイプが多くなっています。その中でも塊ができないため超音波検査で疑いがある場合は開腹手術を行い検査機関に組織を送らなければ確定できない高分化型(小細胞性)リンパ腫が増えています。治療は抗がん剤になりますので、当院ではよく飼い主様とお話をして、治療計画を立てています。

 犬では柴犬の慢性の胃腸障害(食欲不振、嘔吐、下痢)で今まで炎症性腸疾患(IBD)と診断されていた中にこの高分化型リンパ腫が含まれているであろうという話が出ました。確定は難しく当院にある内視鏡で通常はIBDの診断がつくのですが、この中にあるかもしれない高分化型リンパ腫を考えながら、今後は治療することになります。

 今回の学会では学会が認定する認定医Ⅰ種とⅡ種の合格者に対しての認定証授与式がありました。当院の淺田慎也獣医師はⅡ種に合格したのですが、手続きが間に合わず、当日認定証はもらえませんでしたので、後日届いた時点で改めてご紹介します。富山県内ではこの「獣医腫瘍科認定医Ⅱ種」を取得して各病院で常勤している獣医師は4名でうち2名(私を入れ)が当院ですので、今まで以上に腫瘍に対しての治療やそれ以外の腫瘍に関連した種々のご相談もお受けできると思います。

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院長 吉田俊一

第106回日本獣医循環器学会に参加してきました。

6月16~18日の日程で、私は17、18日で参加してまいりました。

会場は埼玉県の大宮ソニックシティです。

 

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この学会は例年日本獣医麻酔外科学会と日本獣医画像診断学会との合同学会となっており、

本年は日本獣医内視鏡外科研究会も加わり、多くの獣医師が参加しました。

循環器学会としての今回の大きなテーマの一つは、昨年発表されたEPICスタディという研究についてです。

小型犬に多い心臓疾患である僧帽弁閉鎖不全症については、重症度に応じた分類(ACVIMのステージA、B1、B2、C、D)がされております。

ピモベンダンという薬の使用時期については、以前はうっ血性心不全(肺水腫)を発症したステージCからとされてきました。

今回発表されたEPICスタディでは、ステージB2(肺水腫がなくて心拡大はある)で左心房と左心室の両方の拡大を伴うものを対象にピモベンダンを使用し、ステージCに入るまでの期間を延長、さらに、その余命の延長も認められたという結果となりました。

前回内科学アカデミー参加の時に「僧帽弁閉鎖不全症の治療としては外科手術が可能となってきた」というお話をしました。

しかし手術を実施できる施設に限りがあるなど、外科治療を選択できないケースも多いことから、内科治療(薬)で肺水腫を起こさない、苦しくない時間を長く維持できる可能性を示したこの研究の意義は大きく、当院でもその結果を踏まえたご説明と治療を実施したいと思っております。

ここでは詳細は書ききれませんので、ご質問等ございましたら、来院時にご質問いただければと思います。

 

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阿部素子

第13回日本獣医内科学アカデミーに参加してきました

会場は横浜のパシフィコ横浜です。

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今回特に目的としていたのは、犬の僧帽弁修復術を行っている2施設から、3名の先生が講演された「僧帽弁閉鎖不全に対する開心術の現状」を聴講することでした。心術(心臓を開く外科的処置)では特に実績のある横浜のJASMINE動物循環器病センターから2名、愛知県の茶屋ヶ坂動物病院から1名の講師を迎え、実際の手術成績や内科治療から外科治療に踏み切るタイミングをどのように考えるかなど、紹介させていただく立場の動物病院として知りたい実情についての講演でした。

手術に際しては乗り越えるべきハードルが多い治療ではありますが、すべてを乗り越えると、僧帽弁閉鎖不全を治癒と言ってよい状態にできるものです。
このような治療に対するご希望に適切にお答えするために、今回の講演は現状を把握する良い機会となりました。

阿部素子

第16回 日本獣医がん学会に行ってきました

今回の学会(1/28ホテルニューオータニ大阪)でたいへん勉強になったのは「下部消化器腫瘤」についてのセッションです。

日本では特にミニチュア・ダックスフンドの出血や粘液混じりの下痢を伴う大腸ポリープ(良性の場合は炎症性ポリープ)の発生が多いです。治療は外科治療と内科治療があり、外科治療は大腸の粘膜だけ又は大腸全てを引き抜くプルースルーという方法になりますが、術後約2ヶ月間は管理治療が大変かつ大切になります。
一方、内科治療はステロイド単独又は免疫抑制剤の併用を行い、完治は難しくてもかなりの段階まで抑えることができます。ただし、免疫抑制剤使用の場合は他の病気発生の危惧もあります。
今回、内科治療の他の方法としてNSAIDSといわれる非ステロイド性鎮痛薬の中のある薬がステロイドと同等近くの効果があることが発表されました。
当院でも、実施していきたいと思います。
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獣医腫瘍科認定医Ⅱ種
院長 吉田俊一

腎臓の手術について学んできました。

1月22日に日本大学で開催されたSUBシステムのセミナー(限定20名)を受講しました。

SUBシステムとは腎臓と膀胱をつなぐ尿管が結石などで閉塞した場合に行うバイパス手術です。
今回のセミナーは腎臓の模型を使用して実際の手術のように行いました。
最近は若い猫での尿管結石が増えているので、この手術が必要となるケースも増えるかもしれません。
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浅田慎也

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