うさぎは食べたものを盲腸内に住む微生物に分解させ、
分解してできたものを盲腸便という形で栄養分として再利用している動物です。
そのため、消化管内の細菌のバランスが非常に重要になってきます。
細菌のバランスは生活環境や食事内容によって容易に崩れてしまいます。
今日はうさぎの食事管理、そのなかでも重要な乾牧草についてお話します。
うさぎの食事には主食として乾牧草、栄養補助としてペレットを使いましょう。
ペレットは1日の量を計測して与えます。
その一方で乾牧草は切らすことなく補充して食べ放題にしておく必要があります。
あくまでも主食は牧草です。
牧草はチモシーなどのイネ科牧草を主体にしましょう。
子供のうさぎならばアルファルファなどのマメ科牧草を用いるのも良いでしょう。
乾牧草はうさぎにとって重要な繊維質の補充に重要です。
また、牧草を食べるときの顎の動きは臼歯の不正咬合の予防にもなります。
「生の牧草でもいいですか?」「うちの子は生野菜を沢山食べているから…」との声もよくお聞きしますが
繊維質を効果的に得られるのはやはり乾牧草です。
「うちの子は牧草が嫌いでペレットばかり食べている」という言葉も非常によくお聞きします。
うさぎは幼い頃身についた食習慣をなかなか変えません。
幼い頃に牧草を食べる習慣をしっかりつけておくことが大切です。
一般的にうさぎさんたちは乾牧草よりもペレットやおやつのほうを好んで食べます。
そのため、ペレットを好き放題食べられる環境下では優先的にペレットを食べてしまって
牧草をなかなか食べてくれなくなることが多いです。
先程申し上げました通り、あくまでも主食は牧草です。ペレットは1日の給与量をしっかり計測して与えましょう。
ペレットの給与量は適切で、なおかつおやつも与えていないのに、牧草をどうしても食べてくれないという子には
2番刈りや3番刈りのチモシーをお試し頂いたり(これに関しては後述します)、
オーツヘイやバミューダグラスといった多種とのミックス牧草をオススメさせて頂くこともあります。
ではここで牧草選びのコツをお話します。
牧草(チモシー)を選ぶときは
・茎や葉が緑色で香りが豊富
・茎が長めのもの
・1番刈り
が望ましいです。
1番刈り、2番刈り、3番刈りというのはチモシーの収穫時期の違いです。
1番刈りは一般的に2番刈りや3番刈りよりもタンパク質や繊維質に富んでいるので、
大人うさぎの普段の食事としてオススメします。
牧草が好きでない子や高齢期の子には葉の柔らかい2、3番刈りをオススメしています。
(高齢の子でも1番刈りを好んで食べるのであれば特に問題はありません)
袋を開けたまま放置しておくとカビが生えることもありますので、気を付けましょう。