第16回 日本獣医がん学会に行ってきました
今回の学会(1/28ホテルニューオータニ大阪)でたいへん勉強になったのは「下部消化器腫瘤」についてのセッションです。
日本では特にミニチュア・ダックスフンドの出血や粘液混じりの下痢を伴う大腸ポリープ(良性の場合は炎症性ポリープ)の発生が多いです。治療は外科治療と内科治療があり、外科治療は大腸の粘膜だけ又は大腸全てを引き抜くプルースルーという方法になりますが、術後約2ヶ月間は管理治療が大変かつ大切になります。
一方、内科治療はステロイド単独又は免疫抑制剤の併用を行い、完治は難しくてもかなりの段階まで抑えることができます。ただし、免疫抑制剤使用の場合は他の病気発生の危惧もあります。
今回、内科治療の他の方法としてNSAIDSといわれる非ステロイド性鎮痛薬の中のある薬がステロイドと同等近くの効果があることが発表されました。
当院でも、実施していきたいと思います。
獣医腫瘍科認定医Ⅱ種
院長 吉田俊一