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獣医師コラム

犬・猫の膵炎とは?知っておきたい症状から治療まで解説

膵炎(すいえん)は、犬や猫の消化器疾患の中でも特に注意が必要な病気のひとつです。膵臓は食べ物の消化を助け、血糖値を調整する役割を持つ臓器ですが、膵炎になるとこれらの働きが正常に機能しなくなります。

 

膵炎には急性膵炎と慢性膵炎があり、急性膵炎は突然発症して重篤化することがあり、命に関わることもあります。一方、慢性膵炎は症状が分かりにくく、気づかないうちに進行することがあるため注意が必要です。どちらの場合も、早期発見と適切な治療が愛犬・愛猫の健康を守る鍵となります。

 

吉田動物病院では最新の診断設備を導入し、より迅速かつ正確な膵炎の診断が可能になりました。今回は、犬や猫の膵炎の症状や原因、治療法、そして当院での診断体制について詳しく解説します。

 

 

■目次
1.膵炎とは?
2.膵炎の症状と原因
3.吉田動物病院の最新設備による膵炎の診断法
4.膵炎の治療法
5.膵炎の予防と日常のケア
6.まとめ

 

膵炎とは?

膵臓は、消化酵素(膵リパーゼなど)を分泌し、食べ物の消化を助けると同時に、血糖値を調整するインスリンを作る臓器です。通常、膵臓から分泌される消化酵素は腸内で働きますが、膵炎になると酵素が膵臓内で活性化し、自分自身を溶かし始めてしまいます。この自己消化が膵臓や周囲の臓器に炎症を引き起こし、痛みや消化不良などの症状をもたらします。

 

膵炎には以下の2種類があります。

 

急性膵炎

突然発症し、激しい炎症や痛みを伴うことがあります。重症化すると多臓器不全を引き起こすこともあり、早急な治療が必要です。

 

慢性膵炎

長期間にわたり炎症が続く状態です。症状が軽いため発見が遅れやすく、気づいたときには膵臓の機能が低下していることも少なくありません。

 

膵炎の症状と原因

膵炎は犬や猫にさまざまな症状を引き起こし、原因も多岐にわたります。

 

犬の膵炎の症状

嘔吐:食後すぐに吐くことが増える

食欲不振:大好きなおやつも食べたがらない

腹痛:お腹を触ると嫌がる、背中を丸めてじっとする

元気がない:動きが少なくなり、呼んでも反応が鈍い

下痢:消化不良による軟便や水様便

発熱:炎症の進行による発熱

 

犬の膵炎は胃腸炎と症状が似ているため、軽い吐き気だと思って様子を見る飼い主様も多い印象ですが、嘔吐が続いたり、食欲がない状態が長引く場合は、早めに動物病院を受診することをおすすめします。

 

猫の膵炎の症状

食欲不振:突然ごはんを食べなくなる

元気がない:静かに寝ている時間が増える

体重減少:徐々に痩せてくる

嘔吐:犬ほど多くはないが、繰り返すことも

黄疸:皮膚や目が黄色っぽくなる

 

猫の膵炎は症状が分かりにくく、発見が遅れがちです。「少し元気がない」「食べる量が減った」といった微妙な変化に気づくことが早期発見の鍵となります。

 

膵炎の主な原因

膵炎はさまざまな原因によって引き起こされます。特に食事の影響が大きく、高脂肪の食事は発症リスクを高めることが知られています。また、誤食や持病の影響も関係するため、日常的な健康管理が重要です。

 

・高脂肪食

膵炎の原因として特に多いのが高脂肪の食事です。特に犬は、脂っこい食べ物を食べた後に膵炎を発症しやすい傾向があります。

 

・肥満

肥満は膵臓に慢性的な負担をかけ、膵炎のリスクを高める要因のひとつです。中高齢の犬や猫では、肥満と膵炎が関連しているケースが多く、適正体重の維持が重要になります。

 

・チョコレートなどの誤食

チョコレートは犬にとって中毒を引き起こす危険な食べ物ですが、膵炎の引き金になることもあります。特にバレンタインやクリスマスの時期は誤食が増え、急性膵炎を発症するケースが多いため注意が必要です。

 

犬と猫の誤飲誤食ついてはこちらで解説しています

 

・特定の薬剤

一部の薬剤が膵炎を引き起こすことがあります。持病があり、定期的に薬を服用している犬や猫は注意が必要ですが、適切な処方のもとで使用すれば問題はありません。ただし、長期間の投薬や体質によって膵臓に負担がかかることがあるため、定期的な健康診断で状態をチェックすることが推奨されます。

 

・その他のリスク要因

膵炎の発症には年齢や犬種、既往歴も関係します。中高齢の犬や猫はリスクが高く、ミニチュア・シュナウザー、コッカー・スパニエル、ヨークシャー・テリアなどは膵炎になりやすい傾向があります。また、糖尿病や胆泥症(胆のうの異常)を持っている場合も膵炎のリスクが高まるため、注意が必要です。

 

吉田動物病院の最新設備による膵炎の診断法

膵炎は症状だけでは判断が難しく、正確な診断には血液検査と画像診断が不可欠です。吉田動物病院では、最新の診断機器を導入し、より迅速かつ正確な検査を提供しています。

 

血液検査

膵炎の診断では、膵特異的リパーゼ(Spec cPL・Spec fPL)の数値が重要な指標となります。膵臓に炎症が起こると、この数値が血液中で上昇するため、膵炎の有無を判断する目安となります。当院では、この数値を短時間で測定できる検査キットを導入し、迅速な診断ができる環境を整えています

 

画像診断

超音波検査(エコー)やレントゲンを活用し、膵臓の炎症や腫れの有無を詳細に確認します。特に超音波検査では、膵臓の形状や周囲の組織の変化を観察できるため、より精度の高い診断が可能です。

 

膵炎は放置すると悪化しやすい病気ですが、最新の検査機器を活用することで、待ち時間を短縮し、迅速な診断とスムーズな治療につなげることができます。早期発見・早期治療が重要な病気だからこそ、当院では、正確な検査環境を整え、最適な治療につなげることを大切にしています。

 

膵炎の治療法

膵炎の治療は、症状の重さや進行度に応じて適切な対応を行うことが重要です。特に急性膵炎では早急な治療が必要になり、慢性膵炎では長期的な管理が求められます

 

・点滴治療(輸液療法)

膵炎による嘔吐や食欲不振で脱水が進むと、全身状態が悪化するため、輸液療法(点滴治療)が必要になります。水分と電解質のバランスを整え、膵臓への負担を軽減することで、回復を促します。

 

・食事管理

急性膵炎では、一時的に絶食を行い膵臓を休ませることが基本です。症状が落ち着いたら、消化に優しい療法食を少量ずつ与えます。慢性膵炎では、脂肪分を抑えた消化しやすいフードを継続することが大切です。当院では、適切な食事管理のアドバイスも行っています。

 

・薬物療法

膵炎では強い腹痛が伴うことが多いため、鎮痛剤を使用して痛みを和らげます。また、炎症を抑えるために抗炎症薬を使用し、膵臓への負担を軽減します。

 

・その他の対症療法

必要に応じて吐き気を抑える制吐剤や、胃腸の負担を軽減する薬を使用します。長期間の食欲不振が続く場合は、栄養補助食や静脈栄養(IV栄養)でサポートすることもあります。

 

膵炎の治療では、早期診断と適切な対応が回復の鍵となります。吉田動物病院では、膵炎の進行度に応じた治療プランを提案し、愛犬・愛猫の健康をサポートしています。

 

膵炎の予防と日常のケア

膵炎はさまざまな要因で発症しますが、日々の生活習慣を見直すことでリスクを減らすことができます。膵臓への負担を軽減するために、以下の点に気をつけましょう。

 

高脂肪の食べ物を控え、適切な食事管理を行う(人間の食べ物を与えない)

適正体重を維持し、肥満を防ぐ

定期健診で膵臓の健康をチェックする

 

膵炎は初期の症状が分かりにくく、気づいたときにはすでに進行していることも少なくありません。日頃から愛犬・愛猫の体調の変化に気を配り、気になる症状があれば早めに動物病院を受診することが大切です。

 

まとめ

膵炎は放置すると命に関わる病気ですが、早期発見と適切な治療によって回復が期待できます。当院では、最新の診断機器を導入し、迅速かつ正確な検査と治療を行っていますので、「嘔吐が続く」「食欲がない」など、いつもと違う様子が気になるときは、どうぞお気軽にご相談ください。愛犬・愛猫の健康を守るために、飼い主様と一緒に最善のケアを考え、丁寧にサポートいたします。

 

 

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