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獣医師コラム

愛犬のストレスサインとその解消法について

近年、愛犬を家族の一員として迎える飼い主様が増え、犬たちの生活環境も大きく変化しています。室内飼いが一般的になり、飼い主様とより密接な関係を築けるようになった一方で、犬にとってはストレスを感じる場面も増えてきました。愛情をたっぷり注ぐことは素晴らしいことですが、犬の本能や習性を理解せずに接すると、知らず知らずのうちにストレスを与えてしまうこともあります。

 

犬のストレスが長期間続くと、心身の健康に悪影響を及ぼし、問題行動の原因になることもあります。しかし、飼い主様が適切に対応することで、愛犬のストレスを軽減し、より快適な生活をサポートできます。

 

今回は、犬のストレスサインを見極める方法と、日常生活の中でできるストレス解消法について詳しく解説します。

 

 

■目次
1.犬のストレスサインとは?
2.飼い主様の愛情がストレスにつながることも
3.犬に必要な運動量とストレスの関係
4.室内でできるストレス発散方法
5.スキンシップと安心感の与え方
6.まとめ

 

犬のストレスサインとは?

愛犬がストレスを感じているとき、そのサインは行動や身体の変化として現れます。

代表的なストレスサイン

以下のような行動が見られる場合は、愛犬がストレスを感じているおそれがあります。

 

過剰な毛づくろい:前足やお腹などをしきりになめ続ける
落ち着きのなさ:部屋をウロウロしたり、ソワソワしたりしている
唸る、攻撃的になる:普段は穏やかな犬が突然唸ったり攻撃的な態度を取ったりする
繰り返し同じ場所をなめる:家具や床、特定の箇所をしつこくなめる
食欲の変化:急に食欲が落ちた、もしくは過食になった
吠え方の変化:吠える回数が増えた、もしくは吠えなくなった
隠れる:ベッドの奥にこもる、人目につかない場所で過ごす時間が増えた
体の硬直や震え:特定の状況で体をこわばらせたり震えたりする

 

このようなストレスサインを見逃さず、早めに対処することが大切です。

 

飼い主様の愛情がストレスにつながることも

飼い主様の愛情表現が、実は犬にとってストレスになっていることもあります。例えば、「抱きしめる」行為は人間にとっては親しみの表れですが、犬にとっては拘束される感覚が強く、不快に感じる場合があります。

 

また、顔を近づけすぎたり、じっと目を見つめ続ける行為も、犬にとっては威圧的に感じることがあります。特に初対面の犬に対しては注意が必要です。

 

愛犬の反応をよく観察し、嫌がるそぶりを見せたら無理に続けないことが大切です。犬種や性格によって違いがあるため、一概に「これが正解」とは言えません。愛犬がリラックスできる接し方を見つけることが大切です。

 

犬に必要な運動量とストレスの関係

犬にとって運動は、単に体を動かすだけでなく、精神的な健康を維持するためにも欠かせない要素です。運動不足が続くと、ストレスが溜まりやすくなり、無駄吠えや家具の破壊行動などの問題行動につながることもあります。

 

犬種・年齢・体格による運動量の違い

犬が必要とする運動量は、犬種・年齢・体格・健康状態によって異なります。

 

・活動量の多い犬種(ボーダーコリー、ジャックラッセルテリアなど):
1日1時間以上の運動が推奨され、散歩だけでなく遊びやトレーニングも必要です。

 

・中程度の活動量の犬種(柴犬、コーギーなど):
1日30分〜1時間の散歩をベースに、室内遊びや頭を使う遊びを取り入れましょう。

 

・小型犬・老犬・健康に制限がある犬:
1日15〜30分程度の軽い運動や、室内での遊びを工夫するなど、無理のない範囲で行います。

 

散歩の質を高める工夫

運動の「量」だけでなく「質」にもこだわることが大切です。散歩は排泄のためだけではなく、嗅覚や視覚を使った探索行動ができる機会でもあります。自由に匂いを嗅がせたり、ルートを変えて新しい刺激を与えたりすることで、犬の好奇心を満たし、精神的な満足度を高めましょう。

 

犬の散歩についてはこちらで解説しています

 

室内でできるストレス発散方法

寒い季節や雨の日は、屋外での運動が難しくなることもあります。そんな時は、5〜10分の短時間でも外に出ることを心がけ、それが難しい場合は室内での遊びやトレーニングで運動不足を補いましょう。

 

ノーズワーク(嗅覚を使ったゲーム)

犬の嗅覚を活かした遊びは、運動が制限される状況でも精神的な満足感を与えるのに効果的です。

 

▼遊び方

 

1. おやつを隠す
犬が好きなおやつを家の中のいくつかの場所に隠します。最初は簡単な場所からスタートしましょう。

 

2. 「探して!」と合図を出す
犬が嗅覚を使っておやつを探すように促します。

 

3. 見つけたら褒める
見つけたらたくさん褒めてあげましょう。成功体験を積み重ねることで、犬は自信を持ち、楽しみながらストレスを発散できます。

 

ノーズワークは老犬や運動制限のある犬でも安全に楽しめる点も魅力です。

 

おもちゃを使った遊び

おもちゃは犬のストレス発散に役立つだけでなく、飼い主様とのコミュニケーションツールにもなります。以下のようにおもちゃを上手に活用し、遊びながらストレスを発散させて、心身のリフレッシュにつなげましょう。

 

・知育トイ:遊びながら頭を使い、認知機能を刺激する。
・ロープ状のおもちゃで引っ張りっこ:噛む欲求を満たす。(興奮しすぎないように注意)
・ボール遊び:ボールを転がして追いかけさせたり、咥えて持ってこさせる。

 

簡単なトリック訓練(頭を使う遊び)

新しいことを覚えることで、犬の集中力が高まりストレス軽減につながるほか、飼い主様との信頼関係を深める機会にもなります

 

・「ターン」:犬にその場でくるっと回る動作を教える。
・「バイバイ」:前足を軽く上げる動作を練習する。
・「ハイタッチ」:手を差し出し、犬の前足を乗せるように誘導する。

 

これらの遊びやトレーニングは知的刺激にもなり、犬の心を豊かにする効果も期待できます。

 

スキンシップと安心感の与え方

スキンシップは犬のストレスを軽減し、飼い主様との絆を深める大切な時間です。ただし、犬の個性によって好む触れ方が異なるため、無理に接しようとせず、愛犬の反応を観察しながら適切なスキンシップを心がけましょう。

 

マッサージの基本的なやり方

犬のマッサージは、リラックス効果だけでなく、血行促進や筋肉の緊張を和らげる効果もあります。優しく触れることで、愛犬の健康状態を確認することもできます。

 

・耳の後ろを優しくなでる:多くの犬が好み、リラックスしやすいポイントです。
・背中をゆっくりなでる:肩甲骨周辺を優しくなでると、安心感を得られます。
・顔をなでる:落ち着きを促す効果があります。

 

犬が気持ちよさそうにしていたら、それが「正解」の触れ方です。逆に、体をこわばらせたり嫌がる様子を見せたら、無理に続けないようにしましょう。

 

リラックスできる環境づくり

スキンシップだけでなく、犬が安心して過ごせる空間を整えることも大切です。寝床はできるだけ静かで落ち着ける場所に設置し、リラックスできる環境を作りましょう。また、テレビや音楽の音量が大きすぎると犬にとってストレスになることがあるため、適度な音量に調整することが大切です。さらに、犬が安心できるよう、自分の匂いがついたタオルやお気に入りのアイテムを近くに置くのも効果的です。

 

特に音や環境の変化に敏感な犬は、小さな刺激でも不安を感じやすいため、安心できるスペースを確保することが重要です。愛犬が心地よく過ごせる環境を整えていきましょう。

 

まとめ

愛犬のストレスサインを見逃さず、早めに対処することは、健康で幸せな生活を送るためにとても大切です。犬は些細なことでもストレスを感じることがありますが、飼い主様のちょっとした工夫で解消できることも多くあります。散歩の質を高めたり、室内でも楽しく遊べる工夫をしたり、スキンシップの方法を見直すことで、愛犬の気持ちをより理解できるようになるでしょう。

当院では、しつけ方教室や飼い主様向けのセミナーも開催し、飼い主様と愛犬が安心して暮らせるようお手伝いをしています。もし愛犬のストレスがなかなか解消されなかったり、いつもと違う様子が気になるときは、一人で悩まずにお気軽にご相談ください。

 

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