獣医師コラム

犬や猫と幸せに暮らすための第一歩|動物を迎える前に知っておくべきこと

犬や猫を新たな家族として迎えるにあたり、どのような準備や心構えが必要かご存じですか。

犬や猫と一緒に暮らし始めてから「こんなはずじゃなかった」と後悔しないためにも、ペットと暮らし始める前にはまず動物病院に相談することをおすすめします。

 

今回は、犬や猫を迎える前に考えておくべきことや準備すべきことについて詳しく解説します。

 

 

■目次
1.自分に合った家族を選ぶ:失敗しないための重要ポイント
2.犬種・猫種選びのポイント
3.多頭飼育を考えている方へのアドバイス
4.犬や猫のお世話に必要な労力
5.動物病院に事前相談をおすすめする理由
6.当院ではさまざまな相談をお受けしております
7.まとめ

 

自分に合った家族を選ぶ:失敗しないための重要ポイント

ライフスタイルとペットの相性

動物の種類や品種によって、生活環境や必要となるお世話は大きく異なってきます。

犬や猫を迎える前には、自分のライフスタイルにその動物が合っているかどうかをしっかり考えることが大切です。

 

例えば、仕事で忙しい方や単身者、共働き家庭の場合、犬や猫の特性と自分の生活リズムが合っているかを冷静に判断する必要があります。

 

年齢と体力を考慮したペット選び

犬や猫の平均寿命は15年以上と長く、その間に病気やケガの治療、高齢になれば介護が必要になることもあります。

 

高齢者のみでペットを迎え入れる場合や、小さなお子様がいる家庭では、愛犬や愛猫がそのような状態になった場合にも最後までお世話ができる時間や体力があるかを十分に考慮する必要があります。

 

犬の認知症についてはこちらで解説しています

 

また、小さなお子様がいる家庭では、動物との生活を通じて責任感や共感力、命の大切さを学ぶ教育的側面があります。

その一方で、お子様の動物に対するアレルギーの有無の確認や、万が一アレルギーを発症してしまった場合の対応、お子様とペットとの接し方などにも注意しなければなりません。

 

さらに、食事や環境整備、通院などにかかる費用も考慮し、経済的な負担が大きくなることも考えておきましょう。

 

犬種・猫種選びのポイント

犬や猫の品種によって、性格や運動量、遺伝的に発症しやすい病気などさまざまな特徴があります。

近年人気がある代表的な犬種や猫種と、それぞれの特徴や注意点についてご紹介します。

 

トイ・プードル

活発で運動が好きな性格で、しつけがしやすい犬種です。ただし、骨が細いため骨折しやすい傾向があります。

 

チワワ

甘えん坊ですが警戒心が強く、知らない人に対して攻撃的になることがあります。なりやすい病気には僧帽弁閉鎖不全症や気管虚脱、膝蓋骨脱臼などがあります。

 

柴犬

飼い主には忠実ですが、警戒心が強く他の人や犬に対して攻撃的になることがあります。また、アレルギー体質であることが多く、皮膚疾患や外耳炎になりやすい傾向があります。

 

スコティッシュ・フォールド

性格は人懐こく、運動量はそれほど多くありません。立ち耳と垂れ耳がいますが、垂れ耳の場合、遺伝的に関節炎や軟骨異形成症候群、外耳炎になりやすい傾向があります。

 

マンチカン

好奇心旺盛でありながら穏やかな性格で、他のペットとも共生しやすいと言われています。足が短いため関節炎になりやすい傾向があります。

 

好みの犬種や猫種を迎えたいと考える飼い主様も多いかと思いますが、犬や猫を迎える前には外観だけでなく性格や特性も重視することが大切です。

自分のライフスタイルや生活環境に合うか、毎日欠かさずペットに適したお世話ができるのかをよく考えてから迎え入れましょう。

 

多頭飼育を考えている方へのアドバイス

すでにペットがいるけれど、さらに新しくさらに迎えたいとお考えの方や、一緒に何頭か迎え入れようとしている方もいらっしゃると思います。

 

多頭飼育には、犬や猫の社会性を身に着けられる、お留守番の際に寂しい思いをさせずに済むなどのメリットがあります。しかし、性格や体格が合わない場合、動物同士の相性が悪くなることもあり、先住のペットにストレスがかかることもあります。

 

また、時間的や経済的な負担が増えるなどのデメリットもあるため、これらを十分に検討する必要があります。

 

さらに、多頭飼育ではトイレの数を増やし、それぞれのペットに合った異なるフードを用意する必要があるため、ペットたちが快適に暮らせるように生活環境を整えることが重要です。

 

ペットの数が増える分だけ、金銭的、時間的、空間的な問題や負担も増えることを理解しておきましょう。

 

犬や猫のお世話に必要な労力

犬や猫を迎えた場合、基本的に必要となるお世話は次の通りです。

 

ごはんの回数

離乳前の子犬では1日4回、離乳後は1日3回、生後4ヶ月以降(大型犬では生後6ヶ月以降)では1日2回のごはんが基本となります。フードは犬の年齢や状態に合ったものを選びましょう。

 

散歩

犬の散歩は朝と夕方の2回が理想です。散歩の時間は犬種によって異なり、15分から1時間以上かかることもあります。犬の運動量や性格に合わせた散歩を心掛けましょう。

 

ケア

毎日の歯みがきやブラッシングに加えて、定期的なシャンプーや爪切り、肛門腺絞り、耳掃除などのケアも必要です。

 

犬の歯磨きについてはこちらで解説しています

 

しつけのトレーニング

しつけのためのトレーニングも重要です。トイレトレーニングや「おすわり」「待て」などの基本的なコマンドを教えることで、日常生活や遊びの中でもルールがルールを守れるようになります。

 

♦当院のしつけ教室・パピーパーティーについてはこちら

教室・活動のご案内

しつけ教室の様子

パピーパーティーの様子

 

♦しつけに関連する記事はこちら

犬の吠え癖について|吠える際のしつけ対策や注意点を解説

トイレトレーニングについて|失敗してしまう理由は?

散歩中に犬が吠える原因は?|対処法やトラブルについても解説

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犬がうんちを食べる?!食糞やしつけについて

 

ごはん

子猫の場合、離乳前は頻回に与え、離乳後からは1日3〜4回、成猫では1日2〜4回に分けてごはんを与えます。フードは猫の年齢や健康状態に合ったものを選びましょう。

 

遊びの時間

猫には散歩の必要はありませんが、室内での遊びの時間を設けることが大切です。遊びを通じて猫の運動不足を解消し、ストレスを軽減させましょう。

 

ケア

猫のお世話として、毎日のトイレ掃除や歯みがき、定期的なブラッシングや爪切り、耳掃除などのケアも欠かせません。

 

犬や猫の歯周病についてはこちらで解説しています

 

動物病院に事前相談をおすすめする理由

当院では、ライフスタイルに合わせたペット選びや、迎え入れようとしている動物種・品種の特徴と注意点について、飼い主様の状況をお聞きしながら的確なアドバイスを行うことができます。

 

また、ペットを迎えた際に必要となる予防接種や寄生虫予防などの予防医療、定期健康診断についての詳しい説明も行っているのと、万が一ペットがケガや病気になってしまった場合の緊急時の対応と準備についてもアドバイスすることが可能です。

 

もし、ペットを迎える前に何か気になることや不安なことがあれば、まずは動物病院で相談してみましょう。

 

♦予防医療に関してはこちらでも解説しています

犬と猫のフィラリア予防について|怖い病気から愛犬や愛猫を守る方法

感染症から愛犬・愛猫を守るために重要|ノミ・マダニ予防について

 

当院ではさまざまな相談をお受けしております

ペットを迎えるということは、「命を一生涯預かる」という大きな責任を伴います。当院では、責任ある飼育の重要性をお伝えし、飼い主様が安心してペットと共に暮らせるようサポートしています。

 

ペットを迎えようと考えている飼い主様には、品種ごとの飼育の難易度についてのアドバイスを行い、ペットとの幸せな暮らしのためにサポートができるよう体制を整えています。

 

また、ペットを迎える前の準備チェックリストとして、以下の3点について詳しくご説明しております。

 

1、物理的な準備:生活環境、必要なグッズなど

2、精神的な準備:覚悟、ご家族の同意など

3、経済的な準備:長期的な食事代や医療費などの飼育コストがかかることなど

 

ペットを迎える前に何かご不安やご質問があれば、ぜひ当院にご相談ください。

 

まとめ

家族の一員として新しくペットを迎える際には、現在のライフスタイルや家族構成、ご自身の年齢、生活環境などの状況を考えた上でペットの種類を決めることが大切です。

 

また、迎えたペットが快適で健康的な生活を送るためには、事前にさまざまな準備をしておく必要があります。

 

動物病院では、ペットを迎えるために必要となる心構えと準備について適切なアドバイスやサポートを受けられますので、ペットと新たな生活を始める前にはまず動物病院で相談してみましょう。

 

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仔犬・仔猫を迎えたら│健康診断・予防診療編

仔犬・仔猫を迎えたら│お家での過ごし方・ごはん編

仔犬・仔猫を迎えたら│病気編

食べてしまうと中毒の原因になることも|犬と猫の誤飲誤食について

 

富山県射水市の動物病院 吉田動物病院

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