獣医師コラム

犬と猫の皮膚疾患について|皮膚トラブル放っておくと悪化する?

犬や猫で比較的多く見られる病気のひとつに、皮膚疾患があります。

特に高温多湿の時期になると皮膚にトラブルが起こりやすくなるため、これからの季節は特に注意が必要です。

 

今回は、犬と猫の皮膚疾患について、症状や治療法、ご家庭での注意点などを解説します。

 

 

■目次
1.皮膚疾患と症状について
2.診断、治療方法
3.予防法やご家庭での注意点
4.まとめ

 

皮膚疾患と症状について

犬と猫で発症しやすい代表的な皮膚疾患には、次のようなものがあります。

 

<膿皮症>

犬や猫の皮膚に常在しているブドウ球菌が異常に増殖することで引き起こされます。

強い痒みや赤い発疹、膿を持った発疹、かさぶた、脱毛などの症状が現れます。

 

<マラセチア性皮膚炎・外耳炎>

犬や猫の皮膚に常在している真菌のマラセチアが、異常に増殖することで引き起こされます。

皮膚や耳が赤くなる、痒みやフケが出る、茶褐色や黒色の耳垢が増えるなどの症状が見られます。

 

<皮膚糸状菌症>

糸状菌と呼ばれる真菌が皮膚に感染することで発症します。犬や猫だけでなく、人にも感染することがあります。

皮膚の赤みやフケ、かさぶた、円形の脱毛が見られることが特徴です。

 

<アレルギー性皮膚炎>

ノミや花粉、食物、ハウスダストなどのアレルゲンに対し、身体の免疫機構が過剰に反応することで引き起こされる皮膚炎です。

皮膚の痒み、発疹、脱毛の症状が見られます。

 

アトピー性皮膚炎についてはこちらで解説しています

 

診断、治療方法

皮膚疾患の診断は、まずは問診と皮膚の状態のチェックを行い、必要に応じて寄生虫や細菌、真菌の有無の確認、血液検査やアレルギー検査などを実施します。

 

診断によって原因が特定できたら、その原因に合った治療を行います。

具体的には、細菌や真菌の感染である場には、抗菌薬や抗真菌薬を内服薬や外用薬で投与し、シャンプーによる薬浴を行うこともあります。

またノミなどの寄生虫に対しては予防薬を投与し、寄生虫を駆除します。アレルギーが原因である場合には、アレルゲンを除去します。

 

その他にも、炎症や痒みが強い場合には、症状に合わせて抗炎症剤や免疫抑制剤を使うこともあります。

 

予防法やご家庭での注意点

皮膚疾患を予防するためには、定期的なシャンプーやブラッシングで皮膚を清潔に保つことが重要です。

また、室内はこまめに掃除する、犬や猫にとって快適な室温や湿度を保つなど、細菌や真菌が繁殖しないように生活環境を整えましょう。

さらに、ノミやマダニが活発化する時期には必ず継続して予防薬を投与することも大切です。

 

ノミ・マダニ予防についてはこちらで解説しています

 

一方で、アレルギーによる皮膚疾患に関しては遺伝的な素因が関係しているために予防することは困難ですが、早期発見によって重症化を防ぐことは可能です。

 

日頃から愛犬や愛猫の皮膚の状態をチェックし、何か異常がある場合には早めに動物病院を受診しましょう。

 

まとめ

犬や猫の皮膚疾患はポピュラーな病気であり、また飼い主様が気が付きやすい病気でもありますが、進行すると治療期間が長くなり、再発しやすい状態になることもあるため、早期に適切な治療を開始することが重要となります。

 

普段から愛犬や愛猫の様子に気を配り、もしも皮膚に異常が見られた場合にはすぐに動物病院を受診してください。

 

富山県射水市の動物病院 吉田動物病院

TEL:0766-52-1517

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