ハムスターの腫瘍について|意外と発生率が高いハムスターの病気
可愛らしい見た目からペットとして人気を博しているハムスターですが、実は腫瘍の発生率が高いということをご存じでしょうか。しこりが短期間で大きくなって衰弱死してしまうこともあるため、早期発見がカギになります。そこで今回は、ハムスターの腫瘍について詳しく解説していきます。
目次
1.原因
2.症状
3.診断方法
4.治療方法
5.予防法や飼い主様が気を付けるべき点
6.まとめ
原因
どうしてハムスターに腫瘍が多いのかについてははっきりわかっていませんが、私たち人間と同じように、ハムスターも高齢になると腫瘍の発生率が高くなります。ハムスターは1歳半くらいからシニア期に突入しますが、1歳未満のハムスターには腫瘍の発生が少なく、1歳を過ぎると発生率がグッと高くなります。しかし、若いからと言って腫瘍にならないというわけではなく、例えば乳腺腫瘍は若齢でも発生することがわかっています。
また、ゴールデンハムスターよりジャンガリアンハムスターに多く発生することから、遺伝的な要因も関係していると考えられています。
さらに環境要因やウイルス感染が原因となることもあります。
症状
症状は腫瘍の種類によっても異なりますが、初期の段階ではほとんど症状が現れません。しかし、腫瘍が大きくなってくると元気がなくなる、食欲が低下する、体表にできた腫瘍は自壊して痛みや出血などが起こります。そしてご飯が食べられなくなったり自壊を起こしたりすると、衰弱して命を落としてしまうこともあります。
診断方法
まずは問診や視診、触診を行います。そして、しこりに針を刺して顕微鏡で細胞の観察を行う「細胞診」を行うことである程度診断することができます。しかし、確定診断を行うためには病理検査(しこりそのものを切除して組織として検査を行う検査)が必要になります。
また、必要に応じてレントゲン検査や超音波検査を行うこともあります。
治療方法
基本的には手術で腫瘍を摘出する必要があります。
しかし、高齢の場合や悪性腫瘍(癌)の場合は麻酔から醒めずに亡くなってしまったり、術後に衰弱死してしまったりすることもあります。
そのため、手術が難しい場合には、抗腫瘍作用のあるインターフェロン製剤やサプリメントなどを使った内科的治療を行うこともあります。
予防法や飼い主が気を付けるべき点
ハムスターの腫瘍は予防が難しい病気です。しかし、しこりが小さく年齢が若いほど手術が成功する確率も高くなるため、早期発見・早期治療が何よりも大切です。
ハムスターの場合は体表に、その中でも特にお腹側に腫瘍ができることが多いため、日頃からよく触ったり観察したりして、しこりのようなものを見つけたら様子を見ずにすぐに動物病院を受診するようにしましょう。
まとめ
ハムスターは腫瘍になりやすく、体が小さい故に短期間で命を落としてしまうこともあります。治療のためには手術を行う必要がありますが、体力が落ちていると手術によって命を落としてしまうこともあるため、早期発見に努めるようにしましょう。
富山県射水市の動物病院 吉田動物病院
TEL:0766-52-1517