ウサギの不正咬合について|ウサギの歯が伸びすぎている?
不正咬合はウサギによくみられる歯の病気です。噛み合わせが悪くなることでごはんが食べられなくなったり、痛みや違和感からよだれが増えたりします。一度噛み合わせが悪くなると生涯に渡って歯の治療が必要になるため、未然に予防することが大切です。
そこで今回は、ウサギの不正咬合について解説していきます。
■目次
1.原因
2.症状
3.診断方法
4.治療方法
5.予防法や飼い主が気を付けるべき点
6.まとめ
原因
ウサギの歯は「常生歯」といって、歯が伸び続けるという特徴があります。
しかし、チモシーなどの牧草を食べることによって前歯も奥歯も削られ、基本的に一定の長さを保っています。
そのため、ペレットや葉野菜を好み牧草を食べる量が少ないと歯がうまく削られずに伸びてしまい、噛み合わせが悪くなってしまいます。
また、この他にも外傷や老化が原因で歯の噛み合わせが悪くなることがあります。さらに、ネザーランドドワーフなどの短頭種では、生まれつき顎の長さに異常が生じ、不正咬合が起こることもあります。
症状
不正咬合が起こると、前歯はどんどん伸び続け、奥歯については上の歯は頬側に、下の歯は舌側に尖るように伸びてしまいます、すると、口の中に痛みや違和感が生じるため、食欲が低下したりよだれが増えたりします。また、口周りや顎下がよだれで濡れるようになると、脱毛や皮膚炎を引き起こすこともあります。
さらに、上の歯の根元が伸びてしまうと涙の通り道である「鼻涙管」が塞がれ、涙が鼻の方にうまく排泄されなくなります。すると涙目になって、目の周りに皮膚炎が起きることもあります。また、上の歯の奥歯の根元は目の下にあるため、この歯の根元が伸びると目が飛び出してしまうこともあります。
診断方法
問診によって症状を確認した後、視診によって歯の噛み合わせが悪いことや伸びた歯を確認することで診断をします。また、歯の根元を確認するための、レントゲン検査も行います。
治療方法
不正咬合によって歯が伸びている場合は、定期的に歯を削ります。前歯であれば基本的には麻酔をかけずに処置を行えますが、奥歯が伸びている場合は全身麻酔をかけて処置を行う必要があります。
予防法や飼い主が気を付けるべき点
不正咬合を予防するために最も大切なことは、食事内容の見直しです。ペレットは栄養価が高いですが噛むとホロホロと崩れるため、歯が摩耗されることはほとんどありません。そのため、常に牧草を食べられる状態にして、歯が伸びないようにする必要があります。
まとめ
ウサギの不正咬合は比較的よくみられる病気です。ウサギは常に胃腸を動かし続けなければならないため、不正咬合によってごはんが食べられなくなると、最悪の場合は命に関わることもあります。また、生涯に渡って歯を削る処置を行わなければならないため、牧草をしっかり与えて不正咬合を予防することを心がけましょう。
富山県射水市の動物病院 吉田動物病院
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