フェレットの副腎腫瘍ついて|皮膚病かと思ったら実は・・・
フェレットで左右対称の脱毛や痒みなどをみられたことはないでしょうか。
一見すると皮膚病のように思えますが、もしかすると副腎腫瘍が原因かもしれません。
そのほとんどが良性腫瘍であるものの、根治のためには手術が必要になります。
そこで今回は、フェレットの副腎腫瘍について、詳しく解説していきたいと思います。
■目次
1.原因
2.症状
3.診断方法
4.治療方法
5.予防法
6.まとめ
原因
フェレットの副腎腫瘍の原因は、早期の避妊・去勢手術が関係しているのではないかと考えられています。
また、フェレットの副腎腫瘍は2歳くらいから発生しますが、加齢とともに発生率が上がり、発症年齢の平均は4.9歳という報告があります。
症状
フェレットが副腎腫瘍になると、副腎から性ホルモンが過剰に分泌されるようになります。
その影響から、以下のような症状がみられるようになります。
・左右対称性の脱毛
・痒み
・多飲多尿
・攻撃的になる
・貧血
・メス:外陰部の腫大
・オス:前立腺肥大
また、オスで前立腺肥大がみられる場合、肥大した前立腺によって尿道が塞がれてしまい、おしっこが出なくなることもあります。
診断方法
フェレットの副腎腫瘍は見た目からはわからないため、エコー検査で大きくなった副腎を確認したり、ホルモン検査でホルモンの値が上がっていることを確認したりする必要があります。
さらに、血液検査によって、貧血がないかどうかなど、全身状態の確認も行います。
ただし、確定診断を行うためには手術によって副腎を摘出して、病理検査を行う必要があります。
治療方法
フェレットの副腎腫瘍を治すためには、手術によって腫瘍化した副腎を摘出する必要があります。
しかし、左右にある副腎のうち右側の副腎は手術の難易度が高いため、右側の副腎が腫瘍化している場合はホルモン注射による治療が選択されることがあります。
また、その他にも年齢などが理由で全身麻酔をかけられないなど手術が難しい場合には、ホルモン注射による治療を行います。
ただし、ホルモン注射で副腎腫瘍が治るわけではなく、継続的に注射を打ち続ける必要があるため長期にわたって治療を行わなければなりません。
予防法
フェレットの副腎腫瘍は予防が難しいため、早期発見・早期治療が大切です。
脱毛や痒みなどの症状から皮膚炎を疑って受診したら実は副腎腫瘍だった、というケースもよく見られるため、副腎腫瘍が疑われる症状がみられた場合はすぐに動物病院を受診するようにしましょう。
まとめ
副腎腫瘍はフェレットによくみられる病気の1つです。
シニアに多くみられますが、若いフェレットにも発生するため、日頃からよく様子を観察し、副腎腫瘍が疑われる場合は動物病院でしっかりと検査を受けるようにしましょう。
富山県射水市の動物病院 吉田動物病院
TEL:0766-52-1517
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<参考文献>
・https://www.jstage.jst.go.jp/article/jvms/71/4/71_4_397/_pdf/-char/en
・https://www.jstage.jst.go.jp/article/jvma/64/7/64_554/_pdf