犬や猫の歯周病について|放置してしまうと歯が抜けたり、骨が折れたりしてしまうことも
最近、愛犬や愛猫の口が臭くなったような気がする、と感じたことはありませんか?
そんなときはぜひ口の中を覗いてみてください。
もし歯肉(歯茎)が赤くなって腫れていたら、それは歯周病か原因かもしれません。
そこで今回は、犬や猫の歯周病について、詳しく解説していきます。
原因
歯周病は口の中のケアが足りずに歯垢(プラーク)が溜まることで起こります。
犬や猫も食後に歯磨きをしなければ、歯の表面や歯と歯肉の間に食べかすなどが溜まってしまいます。
するとそれを栄養として細菌が繁殖し歯垢(プラーク)が形成されます。
そして繁殖した細菌は歯肉や歯槽骨(歯を支える骨)に悪い影響を与え、さまざまな症状を引き起こします。
症状
歯垢には多くの細菌が存在し、その細菌によってまずは歯肉炎が引き起こされて、歯肉が腫れたり赤くなったりします。
そしてそのまま歯肉炎を放置してしまうと、歯と歯肉の間の溝がどんどん深くなり、歯周ポケットが形成されます。
すると細菌は歯周ポケットの中でさらにその数を増やし、歯周炎を引き起こします。
歯周炎にまで進行してしまうと以下のような症状が表れます。
・歯石の形成
・口臭がきつい
・よだれが垂れる
・ごはんを食べづらそうにしている
また、より重度になると歯槽骨が溶けて、歯が抜けたり、下顎骨(下あご)が折れてしまったりすることもあります。
診断方法
歯周病はまず問診や視診、触診などの検査を行います。
さらに、X線検査で歯槽骨の状態を確認したり、専用の器具を使って歯周ポケットの深さを測ったりするなど、より詳細な検査を行うことで病気の進行具合をしっかり評価します。
治療方法
根治させるためには全身麻酔をかけた状態で歯石を取り除いたり、歯がぐらついている場合には歯を抜いたりする処置を行います。
また、炎症がひどい場合には、あらかじめ抗生物質や抗炎症薬などを服用して症状を抑えてから歯の処置を行います。
予防方法
実は、3歳以上の犬・猫の80%以上が歯周病を患っているといわれています。
そのため、子犬・子猫のうちからしっかりと歯磨きを行いましょう。
また、食後24時間もあれば歯垢が形成され、さらに3日くらい経過すると歯垢は歯石に変わってしまいます。
そのため、少なくとも1日に1回は歯磨きをするようにすることをおすすめします。
残念ながら、抜けてしまった歯は二度と戻ってきません。シニアになってもおいしいごはんをたくさん食べられるよう、1年に1回は動物病院でのデンタルチェックを行い、早期発見・早期治療を心がけましょう。
まとめ
犬や猫の歯周病は決して珍しい病気ではありませんが、日頃から口の中をしっかりケアすることで防ぐことができます。
そのため、子犬・子猫のうちから歯磨きを習慣づけるようにしましょう。
そして1年に1回のデンタルチェックも忘れずに行うようにしましょう。
お困りごとがある際はお気軽に当院へご相談ください。
富山県射水市の動物病院 吉田動物病院
TEL:0766-52-1517