獣医師コラム

猫の特発性膀胱炎ってどんな病気?症状や治療法を解説

膀胱炎は冬に多く見られ、発症すると血尿や頻尿などを示します。

膀胱炎の中でも、猫が発症しやすいのは特発性膀胱炎と呼ばれる膀胱炎で、原因が不明な場合も多い病気です。

今回は猫の特発性膀胱炎について、症状や原因、治療法などを解説していきます。

特発性膀胱炎の症状

猫が特発性膀胱炎を発症すると、次のような症状を示すようになります。

・トイレに何度も行く

・排尿姿勢をとるが少量しか尿が出ない

・血尿

・排尿時に痛がる

これらの症状が見られる場合には特発性膀胱炎を発症している可能性があります。

早めに動物病院に行き、診察を受けるようにしましょう。

特発性膀胱炎の原因

特発性膀胱炎は原因が不明であることも多く、食事や環境の変化、季節変動に伴う飲水量の低下、ストレスや肥満がリスク要因であると考えられています。

中でも、大きな生活環境の変化がある場合やトイレが汚れている場合などは猫に強いストレスがかかり、特発性膀胱炎の発症が多くなります。

特発性膀胱炎の診断

膀胱炎の症状があり、その他の病気の可能性が除外された場合に特発性膀胱炎と診断されます。

診断の過程では、尿検査や細菌培養検査、画像検査などが必要になります。

 

・尿検査

血尿や軽度の蛋白尿が確認されることが多いです。

 

・細菌培養検査

尿中に細菌が増殖しているか確認し、細菌性膀胱炎の可能性を除外します。

特発性膀胱炎では基本的には細菌は検出されません。

 

・画像検査

レントゲン検査やエコー検査を行い、尿結石がないことを確認します。

特発性膀胱炎の治療法

特発性膀胱炎を治療するためには環境改善や食事・飲水の管理、薬物療法などが必要です。

 

・環境改善

ストレスの原因を取り除きます。

トイレが常に清潔であること、隠れる場所があること、高いところに登ることができることなどが重要と言われています。

 

・食事・飲水の管理

尿路結石用の療法食を利用することや飲水量を増やすことも治療の一環として行われます。

 

・薬物療法

特発性膀胱炎は膀胱の痛みを伴うことがあるため、症状がひどい場合には鎮痛剤の投与を行います。何度も再発を繰り返す場合はストレスの軽減や痛みの緩和を目的として抗うつ薬の投与を行うこともあります。

特発性膀胱炎の予防方法

完璧な予防法はありませんが、猫にストレスを与えない環境づくりや飲水量の確保などが有効です。

 

飲み水がある箇所を増やす、吸水器を使って飲水欲を促す、ウェットフードを使い食事から水分を補給するなどの対策も有効です。

 

また、治療法の項目でも記載している通り、猫のトイレを常に清潔に保つため、トイレの数を猫の数+1つ用意するのも効果的です。

 

愛猫に膀胱炎を疑う症状がある場合は、お早めに当院へご相談ください。

 

富山県射水市の動物病院 吉田動物病院

TEL:0766-52-1517

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