仔犬・仔猫を迎えたら│健康診断・予防診療編
新型ウイルスが流行する中、在宅ワークなどで自宅にいる機会が増えている方もいらっしゃるかと思います。
徐々に旅行や外出制限も緩和されてきている今日この頃ですが、
心の拠り所となってくれる仔犬や仔猫が自宅にいると幸せですよね。
しかし、相手は動物、しかも言葉を喋れません。いわば人間の赤ちゃんと同じです。
このため、仔犬や仔猫を迎え入れる際は「健康診断」と病気の「予防」が必要です。
これから新たな家族を迎え入れる前に、「健康診断」と「予防」の大切さを少しでもご理解いただければ幸いです。
仔犬・仔猫の健康診断について
仔犬や仔猫を迎え入れたあとは、まずは自宅に慣れさせてあげましょう。
迎え入れて間もない子を、病気でないのに動物病院に連れていくのはあまりおすすめしません。
生後6ヶ月前後で避妊手術や去勢手術を受けられますが、ワクチンの接種がまだ終わっていない場合には、ワクチン接種のタイミングで健康診断を行ってもらいましょう。
仔犬の予防診療について
自宅に迎え入れた後は次に病気の「予防」を行っていきましょう。
まずはワクチンですが、これは2種類あります。
1つ目が狂犬病ワクチン、2つ目が混合ワクチンです。
前者は国が定める法律で年に1回の接種が義務づけられています。
後者は環境中に常に存在するウイルスから身を守るためのものです。
これは、イメージは人間の赤ちゃんが将来怖い感染症にならないために予防接種(ワクチン)を行うことと同じです。
人間と少し違うのが、体内のワクチンの成分「抗体」が約2−3年でその効果が弱まってしまうことです。
このため毎年(初年度は2−3回)接種または抗体検査をお勧めします。
次にフィラリア症についてです。フィラリアとは、「蚊」が媒介する怖い寄生虫で、フィラリアを持った蚊が犬の血を吸った際に犬の体の中にフィラリアが侵入し、体の中で成長し最後には心臓を壊してしまいます。
蚊が見られなくなってから1ヶ月後(富山では5月末~11月末)まで毎月感染を防ぐ予防薬を飲ませましょう。
なお、飲み薬タイプの予防薬はノミダニ感染の予防も一緒にしてくれるものが多いため、おすすめです。
最後に避妊手術と去勢手術ですが、こちらも実施をおすすめします。生後6ヶ月前後で行うと、将来的に卵巣や精巣によって引き起こされる病気(乳腺癌や子宮蓄膿症、精巣の癌、会陰ヘルニアなど)になるリスクを大きく減らすことができるのです。
仔猫の予防診療について
混合ワクチンに関しては仔犬と同様ですが、猫の場合狂犬病ワクチンの接種義務はありません。
また、猫はノミやダニによって媒介される病気も多いためその予防が大切です。
こちらは背中に塗布する(毛と毛をかき分けて皮膚に塗布する)タイプで、毎月行いましょう。
犬と比較して感染するケースは少ないですが、猫もフィラリアに感染する場合があり、犬よりも危険な状態になりますので、塗布タイプの薬での予防をおすすめします。
まとめ
や猫は我々と同じ生き物です。そのため、健康診断や予防を行わなければ簡単に病気になります。
迎え入れる子たちの健やかな生活のためにも、適切な時期に健康診断や予防を行いましょう。
当院では、仔犬と接する際の注意点や基本的な考え方を学ぶための「パピーパーティ」を週に1度開催しています。仔犬を迎え入れたばかりの飼い主さんは、ぜひご参加ください。
※生後4ヶ月までの仔犬(初回ワクチン接種後1ヶ月以上経過し、健康で検便済であること)が対象です。
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次回は「仔犬・仔猫を迎えたら│お家での過ごし方・ごはん編」について解説します。
富山県射水市の動物病院 吉田動物病院
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